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人間社会研究科・専攻紹介

実践福祉学専攻 講義概要

実践研究基盤科目群

仏教と共生原理

仏教における「共生」の原理を、個人の生き方、個人の社会との関わり方の原理として理解する。また、近代前史においては仏教思想を実践する一つの形として“救済”が行われ、近代国家形成以降の社会福祉事業の実践につながり、現代にまで連綿と受け継がれている側面がある。そこで、本講では、仏教文献の中から重要なものを取り上げて講読しつつ、「共生」という原理をもって、人間としての実存的課題、現代の社会(福祉)問題、さらに仏教思想の現代的意義、社会福祉思想との関連性を考察する。

社会福祉理論研究

社会福祉理論とは「社会福祉とは何か」を問うことである。現代社会においては、社会福祉の対象や支援、そしてそれを巡る社会や経済、政治や文化が多様化する中で、ますます曖昧になりつつある。そこで、本講では、「社会福祉とは何か-対象・機能・システム構成等-」について、政策にその本質を求めた大河内一男、孝橋正一、援助に特性を求めた竹内愛二、社会福祉固有の視点を打ち出した岡村重夫、運動論を展開した一番ヶ瀬康子、経営の観点から再構築した三浦文夫の諸理論を俯瞰しながら、今日的な福祉実践や政策の基盤となるロジックを検討する。また近年では、「地域を基盤」とした実践が主流化する中で、地域を基盤とすることの意味について、ソーシャル・インクルージョン等の考え方についても併せて考察したい。

ソーシャルワーク理論研究

ソーシャルワーク理論の実践への適応を基本命題とし、理論と実践との架橋的検証を行う。その際、ミクロソーシャルワークの対象を個人に焦点化するのではなく、個人-家族-所属集団(組織)-コミュニティの相応的視座にたって吟味する。また、ソーシャルワークの理論、学説史等についての文献を講読するとともに、対象の理解、援助の目的とそのプロセスについて、具体的な事例を念頭におきながら学びを進める。さらに、自らの実践現場で当面しているジレンマ、課題を明確にし、自らの実践の再構築を目指す方法を共に探る討論の場とする。

社会福祉制度政策研究

社会福祉政策・制度は、限りある資源をどのように適切あるいは効率的にサービス利用者のもとに配分するのかといった大きなテーマが存する。そこには制度・政策を設計する上での原理の次元と、そうした原理を元にして構成される供給・配分・利用の基本的設計の次元、そしてそのような制度・政策を設計する上での手続の次元がある。本講では、福祉多元主義や近年注目を集めている擬似市場について、具体的な制度や政策の内容を検討しつつ、先に掲げた3つの次元からそれぞれ検証を行う。

実践技能研究科目群

ケースワーク特論

ケースワークは、対人援助を行う上で最も基本的な援助の形態であるが、その基本はワーカー-クライエントとの「援助関係」の構築が重要となる。また今日、本人や本人を取り巻く物理的資源、経済的資源、社会的資源、人的資源など客観的に把握できる環境的な側面に焦点をあてて状況を改善する援助モデル(環境モデル)や人が生きていく物語と現実とのずれに着目し、クライエントの語りから、クライエントの置かれている問題状況に対するクライエント独自の主観的な捉え方に焦点を合わせる援助モデル(物語モデル)など問題状況に応じて様々な方法が行われている。本講ではこのようなケースワークにおける援助関係並びにクライエントに働きかける様々なパースペクティブやプロセスについて事例を通して検討を行う。

グループワーク特論

グループワークは、グループ(集団)のダイナミックスを意図的に活用して、個人の社会的機能や社会への適応力を高めるための援助技法である。本講では、人にとっての集団体験の重要性とグループダイナミックスについて基本的知識を確認した上で、グループワークの展開過程と具体的な方法と留意点等について検討する。また、特定の経験を共有する自助グループ(セルフヘルプグループ)、当事者組織についても取り上げる。

コミュニティワーク特論

地域社会の変質に伴い、さまざまな生活上の課題や困難を抱えつつも、地域(在宅)で自立した生活を営むためには、安全で安心できる生活圏域の確保が重要課題となっている。ソーシャルワーカーには、今後ますます地域を基盤とした支援を促進するためのアプローチが求められるであろう。本講では、コミュニティを基盤としたソーシャルワーク理論について学ぶとともに、地域の福祉ニーズの把握方法、ソーシャルサポートネットワーク(地域における社会資源)の活用・調整・開発、地域の包括ケアシステムの構築と実際等について検討することで、我が国の現状にあったアプローチのあり方について議論する。

スーパービジョン特論

"スーパービジョン"とは専門職としてのソーシャルワーカーを養成するためのトレーニング・プロセスである。スーパービジョンの理論と方法を段階的に実践的に学び、スーパーバイザーとして実践の場でスーパービジョンが展開できる技術を身につける。新人研修・実習プログラムの立案方法や指導の留意点を学習し、組織において後進指導の役割を担えるようにすることで、実際の社会福祉の現場において指導的立場として活躍できる力を養う。

ケースマネジメント特論

ケースマネジメントは、利用者の生活上のニーズを満たすため、セルフケアでは解決できない問題について、インフォーマルケアを調整し、フォーマルケア(適切な社会資源)と結び付ける手法であり、現在では、障害者・高齢者・児童・家庭等、対象を問わずにその範囲が広がってきている。本講では、ケースマネジメントの基本として、その目的と構成要素、実施上の留意点を理解等する。なお、実際の事例を使って、ケースマネジメントプロセスにおけるアセスメント、ケアプランについても検討する。なお、院生の関わっている事例も素材として取り上げる。

ソーシャルアドミニストレーション特論

医療・保健、福祉の組織は、ヒューマン・サービス組織であり、プロフェッション集団(組織)といえる。ソーシャルワーカーは所属する組織の影響・制約を強く受けることになるが、同時に、専門職として組織のフォーマルな権威関係から離れて、自らの専門性に依拠して仕事を進める側面を持っている。本講では、こうした医療・保健、福祉組織の特性と本質をふまえて、組織内のモティベーション形成、組織内の他の専門職との連携及び人・モノ・金・情報といった組織マネジメント、更には問題解決に適した組織のあり方、組織におけるアドミニストレーションについて、事例を取り上げて検討する。

プログラムエバリュエーション特論

近年、社会福祉の問題の解決に向けた個々の社会福祉実践や組織的な介入プログラムは、科学的な効果評価が求められるようになってきている。本科目では、社会問題の改善に向けた個々の社会福祉実践や組織的かつ継続的なプログラムについて、その改善を図り、より効果的な実践やプログラムに発展させていくことを目的とした評価の方法について検討する。具体的には、実践やプログラムの機能、効果を科学的かつ体系的に把握、評価、検討していくための方策について、社会調査などの科学的手法を活用しつつ、社会福祉実践に根ざしたアプローチ法の検討を行う。

チームアプローチ特論

ソーシャルワーク実践は、支援者たちのチームの力によって成り立っているといっても過言ではなく、チームアプローチは、領域を問わず重要な技術である。ゆえに、チームアプローチとそれを支えるチームワークの重要性は、専門職であれば誰しもが認識し必要としている。しかしながら、実際にチームワークが実践に有機的に機能しているかとなると多くの課題を抱えていることも現実である。本講では、対人サービス組織の特殊性を踏まえつつ、小集団論を基盤にリーダーシップ・メンバーシップを理解した上で、チームワークを難しくする要因、チームワークを有機的に作用させるためのチームコンピテンシー等について、事例等も活用して検討する。

ソーシャルワークリサーチ特論

本講では、ソーシャルワーカーに求められるリサーチャー・プラクティショナーモデルに基づき、実践を通して、効果的なアプローチのエビデンスを構築できる人材となるために必要な知識を学ぶ。ソーシャルワーカーにとって必要な社会調査に関する知識を確認するとともに、いかにしてその技術をソーシャルワーク実践に活用するかを考察することを通して、ソーシャルワーカーに実装可能な知識として、社会調査の学びを深める。

ケースカンファレンス特論

ケースカンファレンスは、個別スーパービジョンのみならず、グループスーパービジョン(対象事例に関わるチームメンバー)においても最も多用される技法であり、ソーシャルワーカーが専門職としての力量を高めるだけでなく、その援助チームや集団・組織の教育・研修としても極めて有効である。本講では、実践現場でケースカンファレンスを行う場合の基本的な方法を学ぶとともに、院生が実際に関わっている事例を素材にしてケースカンファレンスを行うことで実践に活用できる力を涵養する。

調査研究指導科目群

ソーシャルワークリサーチ演習

ソーシャルワーカーには、理論実践の統合を目指し、当事者のニーズにたった援助技法や理論の開発・展開、新たな福祉制度・政策デザインの構築のための調査・研究力が求められる。本講では、社会福祉学研究の目的・特徴・範囲、研究倫理をふまえた上で、量的(統計)調査法、質的調査法を実践する基盤となる知識・技術を習得する。また、高度専門職として求められる実践と研究の両立に向けて、論文執筆のための企画(リサーチデザイン)、研究仮説の設定と検証、研究方法の適切性の吟味、先行研究の資料収集及び精査の方法等を学び、自らの研究計画を作成する。

フィールドワーク演習

社会福祉実践・研究は常に当事者視点と社会福祉実践現場に立ち位置を置くことが重要である。そのためには、現場の実際や当事者のニーズを実感しながら進めることが求められる。本演習では、院生個々の研究に即して自らのテーマを定めると共にテーマに従って研究フィールドを設定し、そこから得た知見や課題等を整理・分析を行うものである。なお既に職場等の研究フィールドを有している場合は、そのフィールドでの実践に関するスーパービジョンを行うことで、研究課題の整理・分析を行う。

特定課題研究演習/特定課題研究(研究指導)

 自らの問題意識、研究テーマに従って、以下の3テーマから1つを選択して、研究成果としてまとめ、発表する。

(a)社会福祉実践に関する研究

(b)社会福祉実践に係る組織運営管理に関する研究

(c)その他、社会福祉サービス・制度政策等に関する研究


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